突然、誰からも見放され、ただ立ち尽くすしかない、根源的な不安が姿を見せるときがある。
自分が完全に見放され、無の中に消え入りそうな予感がする、非常に心細い状態。
このときに見える孤独の姿を、まだ自分は正視しきれていない。
私は、どうしても逃げてしまうのだ。
やはり、まだまだ身心の殻が手放せない、未熟な状態なのだろう。
ただ、この経験を通して分かったことがある。
日中は、視覚情報や記憶の分厚い層などが心を覆っていて、この根源的な不安が全く見えなくなってしまっているのだ、ということを。
いつか、真正面から対面しなければならないのであろう。
それと対面することは、すごく不安で、恐ろしい。
日中の表面意識では「大丈夫だ」と思っていても、いざその剥き出しの姿を目にすると、耐えきれない。
無意識レベルの抵抗がいかに凄まじいかを見せつけられた思いがする。
それと向き合うよりは、日中の意識のままフラフラ楽しく生きてる方が、よっぽど楽しくていい。真のチャンスから逃げ出し続けている。
「こんな自分が苦悩の輪廻から抜け出せるのだろうか」
と悩むこともある。
「どんな弱い者であろうと、どんな悪人であろうと、全員が必ず救われる。全員に平等に救いがもたらされる」
と信じると、フッと心が軽くなった。
ただその言葉を信じ、歩むしかない。
どこへ向かうのか、私は知らない。
わけも分からず、ただあり続けるしかない。